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コラム

理想の私学で専任採用をめざす:前編

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2021/05/21

皆さんはかつて中学受験・高校受験のとき、何を基準に志望校を選択しましたか?
学力レベル、通学の利便性、施設の充実度、やりたい部活動がある、面白そうな取り組みを行っているなど、多様な要素から志望校を決めて受験に挑んだことでしょう。仮に同じくらい魅力のある学校が複数あったときは、「制服がかわいいから」「きょうだいが通っているから」など、十代の子どもらしいほほえましい条件で決めたというエピソードもよく耳にします。
私学の教員採用試験においても、どの学校を選ぶのかというのは非常に重要なことです。
今回は“生徒目線”にフォーカスし、男子校・女子校・共学校の特徴や、それぞれの教育の魅力について見ていきましょう。

●女子校 「自主性や積極性、自立心が自然と芽生える」

女子校といえば、マナー講座や着付け、華道・茶道などの情操教育が充実している学校が多くあり、なんとなく「おしとやかなイメージ」を持っている人もいるかもしれません。実際の「女子校」の生徒さんたちは、元気いっぱいに活躍されており、活気あふれる校風の学校や、スポーツが強い学校、また理系に強い学校などもあり、多種多様です。

学校のさまざまなシーンで、力仕事なども女子だけで取り組み、友だちとも意見をぶつけ合いながら自分たちで解決していくため、自然と自主性や積極性、自立心、リーダーシップが養われる、魅力ある教育環境です。「世界で活躍する女性」をたくさん輩出しており、その先輩たちが生き方のロールモデルにもなります。
どちらかというと女性教員が多い環境ではありますが、男性教員も複数在籍し活躍されています。教員の性別よりも、女子校の教育を理解し、運営していく力が求められます。

●男子校 「好きなことにのびのびと、全力で打ち込める」

男子校では、リーダーを育む教育を掲げる学校が目立ちますが、異性の目を気にすることなく、好きなことにのびのびと取り組める環境であることも魅力です。たとえばサッカーや野球などの運動部だけではなく、鉄道研究会がヒーロー的存在だという学校も。「自分のやりたいこと」に全力で打ち込めるので、「自分はこうなりたい」という目標設定も明確になり、学内・学外のさまざまな分野で生徒の活躍を見ることができます。
教員は男性の割合が大きく、父や兄のような目線で生徒を見守っていく男子校ならでは教育環境が魅力です。生徒にとって、密度の濃い友人・師弟関係は一生の財産となるでしょう。
一方、近年では女性教員の活躍も増えています。全力でものごとに挑戦する生徒をサポートするためにも、性別を問わず、教員には「知力」「体力」の両方が求められるでしょう。ある進学校では、採用試験の際に「体力に自信がありますか?わが校では毎年、教員も一緒に冬山登山があります」といつも聞いているそうです。

●共学校 「互いの個性を尊重し合い、役割分担をする」

共学校では、男子と女子が一緒に授業・行事・クラブ活動など学校生活を送るなかで、さまざまな視点・考え・価値観に触れることができます。多様性が広がり、男女がお互いに尊重し合い、性差による考え方や行動様式があることを体験的に学ぶことができる環境です。行事などでは男女が互いに協力し合った役割分担がされており、実社会に出たときに役立つコミュニケーション力を育む機会も増えるでしょう。
数として、一番多いのが共学校です。近年は共学化する男子校・女子校も増えています。比較的新しい学校が多く、伸び伸びとした環境です。
教員採用においても共学校の割合は圧倒的に大きく、多くのチャンスがあります。いろいろな環境で経験を積みたいと考えている教員志望者には、おすすめの環境といえます。

●別学校・併学校 「男女別学・共学の良さをバランスよく取り入れる」

男子校・女子校・共学校の教育が持つさまざまな特色を活かしながら、各校が独自のシステムを採用しています。たとえば、授業は男子・女子が別々の教室で学び、行事・部活動は一緒に行う学校があります。ある学校では、学年旅行の行き先が男女で異なるなど、男女合同行事のほかに、男女別で行う行事もあります。
ただ、別学校・併学校は、数そのものが多くないため採用も希少です。勤務できるチャンスは他と比べてもタイミングが必要となってくるため、志望する場合は、採用状況をひんぱんにチェックすることをおすすめします。

どのような教育をしたいのか? 自分に合った学校は?

前編では、男子校・女子校では発達段階の違いを大切にした指導がなされ、共学校では互いに協働する力を育むことが重視されていることが、それぞれの学校の大きな特徴であることを述べてきました。また、男子校・女子校は伝統校が多く、共学校は戦後に設立された比較的新しい学校という特徴もあります。
多くの学校がありますが、大切なのは「自分に合った学校はどれか」「その学校の教育に共感できるか」「どのタイプの学校で自分の力を発揮したいか・発揮できるのか」をしっかり考えて、学校選びをすることが大切です。

後編ではさらに細かく、伝統校・宗教校・大学附属校・進学校などについて見ていきましょう。

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