4年目 冨田 真彦 先生
メーカーの営業マンとして25年の海外駐在経験あり。日本の若者の「英語のハードルを低くしたい」との強い思いから教師を目指す。2016年より私立中高一貫校で教える。ネイティブレベルの英語力と、生徒の興味を引き出す授業が持ち味
生徒の興味や関心を引き出し、「英語を好きになる」につなげたい
いつから教師になろうと思うようになったのですか?
もともと外国語に興味があり大学は英文科を卒業しました。教職課程も履修していたのですが、もう一方で、自分の外国語の力を試したい、海外で働いてみたいという夢もあり、電子部品メーカーに就職しました。入社5年目からアメリカ、シンガポール、ドイツ、中国など合計25年ほど海外で暮らしていました。定年も近くなり、そろそろ日本に腰を落ち着けたいと思い、早期退職して、夢だった先生になろうと考えたのです。
長い海外生活で日本の英語教育について思うところはありましたか。
この10年ほど「海外で働きたい」という若者の声を聞かなくなりました。要因はいろいろあると思うのですが、もし言語がハードルになっているのなら、若いときから積極的に外国語を学んでグローバルに活躍してほしい。そんな「人を育てたい」気持ちが芽生えたのは確かです。赴任先では営業のほかに現地社員の採用や面接、日本から来る社員の育成も任されていましたので、自然とそのような眼でグローバル化の課題を見ていたのかもしれません。
帰国後、どのように教員の仕事を探したのですか。
新聞でイー・スタッフの求人欄を見て応募しました。「私立学校の教員採用・募集」という点に魅かれました。というのも、体力的に専任は厳しいと感じていましたし、得意分野である英語を活かしたいと考えたからです。「非常勤・外国語」という条件で数多くの求人があるイー・スタッフに登録したところ、早速、案内していただきました。埼玉県の私立中高を経て、現在、都内の男子校で教えています。
採用までに不安などはありましたか?
何と言っても未経験だったという点です。企業内で英語を教えた経験はありましたが「ぜひ英語をものにしたい」と強い意志のある人が相手でした。でも、中学・高校では英語学習に対する気持ちも一人ひとり違いますし、何よりこの年代の生徒たちとふれあうのは初めて。そこは不安でしたね。でも、イー・スタッフの担当の方が、採用先の学校の先生方とこまめに連絡を取って私の背景や経験などを伝えてくれました。私はネイティブの先生とのチームティーチングが得意なので、そうした授業から担当できるよう配慮をいただきました。
じっさいに教壇に立ってみて、いかがですか?
非常に楽しいです。まず、生徒たちがまじめで積極的に学ぼうとする姿勢がすばらしいです。時折、海外にいたときの経験談をするのですが、それを聞いて「先生、このような英語表現をしたら外国人はどう受け止めますか?」とか「将来、留学をしたい。どんな準備をしたらいいですか?」など興味や関心のあることをどんどん質問してくるんです。今日はどんな質問があるだろうと毎日わくわくします。
海外経験の豊かな先生に、生徒たちも興味津々でしょう。
私の「真彦」という名は「Michael」の発音によく似ているので「海外ではずっとMichaelというニックネームだったんだよ」と話すと、生徒たちも「Michael先生!」と親しみを込めて呼び掛けてくれます。中には英語の勉強は好きではない、という生徒もいます。でも、「君の興味のあること、たとえば好きなゲームや音楽が、海外でどんなふうに評価されているのか、海外の人とコミュニケーションを取って知りたいと思わない?」と話すと、「やってみたい」と思う生徒が多いようです。「もし、そうしたいなら英語は必要でしょ?」と。生徒の興味や関心を引き出して、英語学習のモチベーションにつなげるよう努力しています。
現在はどのような授業を担当していますか?
週4日、15コマを担当しています。月・水・金は中学2年生、ネイティブの先生とチームティーチングで英会話の授業を担当しています。土曜日は高校2年文系の「英語表現」の授業を受け持っています。初年度は「コミュニケーション英語」を担当し、少しずつ担える科目の幅が広がっていっているので充実感があります。1限目から4限目まで授業、昼食をとり、午後は採点や教材準備などをして14時に退勤しています。自分のペースで続けられ働きやすいです。
これから、どのような教師になりたいか抱負をきかせてください。
「英語に少しでも興味を持ってもらう」ことについて、これまでの経験を活かした教え方を継続すること、そして一人でも多くの生徒に「英語に興味が出てきた」「英語をもっと勉強したい」と思ってもらうことが努力目標です。
(このインタビューは2019年04月に行いました。)