卒業生にとって私学は「いつでも戻れる場所」
質の高い教育が実践できる充実の設備をはじめ、生徒はもちろん教員の立場から見ても、私学にはたくさんの魅力があります。そのなかで、私学で働く多くの教員が実感しているであろう魅力の一つとして、一般的に「異動・転勤がない」ことが挙げられます。
定年が65歳だとすれば、新卒から42年間、一つの学校に在籍することが可能です。先生方からは、「中1のときに担任として関わった生徒を、卒業までの3年間、あるいは6年間みて、送り出せるのがいい」といった声がよく聞かれます。
そのように見守ることができるのは、在校中だけではありません。私学では、卒業生が何かの節目などに母校を訪ねることもめずらしくなく、「生徒が帰ってきてくれるのがうれしい」と話す先生も多数。卒業後の成長や歩んでいく人生も、見守ることができるのです。言い換えれば、私学が、卒業生にとって「いつでも戻れる場所」であり続けるのは、変わらずそこに“会いたい相手 = 卒業生一人ひとりをよく知り、温かく出迎えてくれる恩師”がいるからこそでしょう。
卒業生は「教員」「学校」の過去・現在を知る、最大の理解者
「不易流行」という言葉があります。私学はまさに、その精神を体現し続ける存在。建学の精神をはじめ、守るべき、変わらぬ空気を持ちながら、時代や教育の変化に応じて新たな設備・取り組みをいち早く導入するなど、たゆみなく進化しています。
単に新たな設備や取り組みを導入するだけでは、目的は達成されません。それらを活用・推進する各教員の挑戦や成長があって初めて、教育の成果・評価へとつながります。つまり学校の進化の過程において一人ひとりの教員は、学校と同様に、その信条を貫きつつ、新たな価値観やスキルを取り入れるという、不易流行を実践することになるのです。
そういう意味において私学の教員は、不易流行の実践者であり、担い手でもあると言えるでしょう。そして、以前の学校を知る卒業生は、そうした教員や学校の変化を肌で感じることができる存在です。私学の教員にとって、卒業生と思い出を語り合うひとときは、教え子の成長だけではなく、自分自身の成長や、その成果としての学校の進化を、実感できる機会ともなるのではないでしょうか。
教員冥利に尽きる、成長した教え子とのひととき
卒業生とのつながりは、教員と教え子という関係だけにとどまりません。たとえば卒業して20年後、卒業生のお子さんが生徒として入学してくることもあるでしょう。そうすれば、教員と保護者という、お子さんの成長を共に見守りサポートする立場となります。その教え子が保護者会の活動に参加すれば、よりよい学校づくりに向けて協力し合うこともできます。
さらに、卒業生講演会などの学校行事に協力してもらったり、官公庁や企業の担当者として連携プログラムなどに携わってもらったりと、教育活動において協働するケースもあるかもしれません。ちなみに以前、イー・スタッフに立ち寄ってくださった先生が、イー・スタッフの新人社員の母校の恩師で、約8年ぶりの再会を果たしたことがあります。先生は当然のように、営業担当となったその社員の顔と名前をしっかりと覚えておられました。そこから新たに、教員と営業担当という関係を構築していくこととなったのです。
ある伝統校の教頭先生は、「学校をよく知ってくれている教え子が親となり、保護者会の一員として学校に関わり続けてくれていることが誇り」と話されていました。また、「大人になった卒業生とお酒を酌み交わし、語り合うことができるのは教員の醍醐味」と言われる校長先生の表情が本当に楽しそう、ということも。
教え子が増えていくごとに、多くの喜びを得られる私学は“教師冥利に尽きる”と思えるような瞬間を積み重ねていきたいという方に、ぴったりの場所と言えるでしょう。