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国語の教員になるために知っておくべきこと~2022年新学習指導要領~

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2022/09/16

学校からの募集案件が増加傾向にある国語の教員。「経験者が見つからない」「未経験でも意欲があればOK」といった声も聞かれ、新卒の方、教員未経験の方、ブランクがある方にもチャンスが広がりつつあります。このタイミングを逃さないためにも、取得すべき免許や採用の現状、求められる力など、国語科教諭をめざす上で知っておきたいポイントを紹介します。

国語の教員免許を取るのは難しい?国語教員の基本のキ

私立中高で教員を目指す人が取得しておくべき免許は、中学・高校の国語です。加えて、高校の書道の免許や司書教諭の資格を取得しておくと、強みになります。
国語の教員免許は、教育学部のほか、文学部をはじめとする人文学系の学部・学科でも取得することが可能です。通信課程を設けている大学もあり、大学卒業後に取得することもできます(詳細はhttps://www.e-staff.jp/reading/10630)。文部科学省のホームページに、通信課程も含め、国語・書道の免許を取得することのできる大学・学部等の一覧が掲載されているので、ご参照いただければと思います。

●中学校教員・高等学校教員(国語・書道)の免許資格を取得することのできる大学
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/daigaku/detail/1287055.htm
※文部科学省ホームページより(令和3年4月1日現在)

国語の教員になるのは難しい? 採用倍率・難易度

団塊の世代の教員が定年退職を迎えて以降、イー・スタッフには、国語科教諭の募集が多く寄せられています。募集している学校からは、「経験者が見つからない」という声が聞かれることから、人材不足気味である感は否めません。定年退職後も続ける先生が多く、出産などを機に退職されてブランクがある方の需要も高まりつつあると言えるでしょう。

また注目すべきは、募集している学校から、「未経験でも意欲があればOK」という言葉が聞かれるということ。退職後のベテラン教員は安心感があるものの、長期的な視点から考えると、学校としては、若年層の教員も確保しておきたいところ。若年層に関してはやや売り手市場で、新卒の方や、民間企業などに就職したが教員は未経験という方にも十分チャンスがある状況と言えます。

「現代の国語」「言語文化」の新設で広がる、国語科教員の働き方

高校における新学習指導要領の実施に伴い、国語科教員の働き方が多様化していくであろうことも、見逃せないポイントです。

新学習指導要領では、従来の「国語総合」が、論理的文章・実用的文章を扱う「現代の国語」と、古文・漢文や近現代の文学的文章を扱う「言語文化」との2科目に分かれました。「国語総合」は4単位のため、国語の非常勤講師の募集では必然的に、週4日以上勤務可能である方が対象となっていました。ところが新設の「現代の国語」「言語文化」は各2単位。週2日に限定した勤務のチャンスもこれから増えてくることが予想されます。ますます、働き方の選択肢が広がっているのです。

●国語編 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説
https://www.mext.go.jp/content/20210909-mxt_kyoiku01-100002620_02.pdf
※文部科学省ホームページより

定年退職した方、育児中の方、教員採用試験に向けて勉強中の方など、あえてフルタイムではない働き方を望む人にとっては、まさに好機。「得意分野から経験を積みたい」という未経験者の方にもチャレンジしやすくなりました。「条件がぴったり合うかどうか不安・・・」という方は、ぜひエージェントに登録を。個々の要望を踏まえてマッチングが可能なため、就職活動をスムーズに、そして選択肢を広げることができます。

これからの国語教師に求められていくこと

国語はすべての学習において基盤となる「言語能力」の育成を担う教科であることは周知の通りですが、今回の指導要領改訂や、その意図を反映した大学入学共通テストの傾向からは、国語の重要性が従来以上に高まっていることがうかがえます。

新学習指導要領の導入に伴い、高校の国語は「現代の国語」「言語文化」「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の6科目となりました。必履修科目の一つ「現代の国語」は、実社会で必要な「話す・聞く・書く・読む」の言語能力育成に主眼を置いています。内容として、論理的思考力の育成を目的とした「情報の扱い方」が盛り込まれ、「現代の国語」と高2以降で学習する「論理国語」を通して、大学での論文執筆なども見据え、読解力や論理的な文章を書く資質・能力の育成を目指します。もう一つの必履修科目「言語文化」は、日本の伝統や文化について書かれた解説や評論、随筆などを読み、日本の言語文化についての理解を深めることを目標としたもの。また「古典探究」は、今回の改訂で新たに加わった「探究」を付す科目の一つです。国語においても、調べ学習や討論などを通した主体的・対話的な深い学びを通して、課題解決のための資質・能力を育成することが重視されます。

2021年度大学入学者選抜から実施されている『大学入学共通テスト』の国語では、改訂のねらいが反映され、読解力・思考力・判断力を重視する傾向が見られます。新学習指導要領に基づいた入試の本格実施となる2025年1月の『大学入学共通テスト』からは、これまで以上に思考力系の問題への対応が求められることは想像に難くありません。

こうした現状から、これから教員を目指す方には、自分自身が学んできた形態とは異なる“より総合的な授業”を、手本が少ない環境で創造・確立していく力が求められます。すべての学習の基盤である国語はいまや、一連の教育改革の成功のカギを握る教科と言っても過言ではありません。人材不足気味である今こそ、その大きなやりがいを手にできるチャンスと言えるでしょう。

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