校内チューターはどんな仕事?
学校での学びのサポート役
皆さんは、『校内チューター』という仕事があることをご存知でしょうか。主に放課後、学校の自習室や希望者対象の講座で、生徒からの質問対応を行う仕事です。
大きな特徴は、勤務先が学校であるということ。後述しますが、教員を目指す大学生にとっては、この点が最大のメリットといえます。(*参考*一般的な学習塾における「オンライン塾講師」の概要・詳細はこちら教員志望の大学生におすすめのアルバイト①オンライン塾講師(働き方編))
学校においても働き方改革が推進されている昨今、教員の負担軽減の一つの手段として、『校内チューター』を導入・活用する学校が増えつつあります。その採用・管理は、教育関連企業などに依頼することが一般的。イー・スタッフの運営会社エデュケーショナルネットワークの中にも『校内チューター』を活用した講座を運営する学習サポート課という部門があります。チュータースタッフを募集し、複数の中学校・高等学校で、放課後の講座等でご活躍いただいています。
仕事内容は、大きく以下の二つに分けられます。
【自習室のチューター】
放課後、自習室に待機し、先生の代わりに質問対応を行います。生徒にとっては年齢が近く、気軽に話せる存在であることから、進路に関する悩みや相談に応じることも。自身の体験を踏まえてプラスになるようなアドバイスをします。
「生徒に自習室を大いに活用していただきたいという思いがあります。自習室に来ても、黙々と勉強して帰るだけなら、チューターは必要ありません。生徒との関係性を築く取掛かりとして、チューターにはできれば自ら積極的に生徒に声をかけ、雑談でもいいから言葉を交わし、ひと言も発することなく帰宅する生徒がいないようにしてほしいと伝えています」(採用担当者)
【タブレット教材の講座のサポーター】
多くの学校では放課後、大学入試対策をはじめ多種多様な希望者対象の講座を実施しています。その中でも弱点克服や学び直しを目的とする、タブレット教材を用いた講座にサポーターとして入り、受講者の進捗確認や質問対応を行います。小学校・中学校の範囲まで戻る生徒もいるため、噛み砕いて解説を行うなどのフォローを行い、モチベーションの維持を図ります。
どんな人が向いている?求められるスキル・採用面接のポイント
『校内チューター』には一定の学力が必要ですが、一番重視されるのは、個別指導のためのコミュニケーション能力です。
応募いただいた際、講座の責任者としては、「目を見てハキハキと話せるか」といったコミュニケーションの基本をチェックするとのこと。また、清潔感がある・派手すぎない・常識や責任感があるなど、学校に安心して派遣できる雰囲気・人柄であることもポイントとのこと。
こういったアルバイトの面接や説明会に挑む際は、「真剣に取り組みたい」という姿勢をしっかりとアピールすることが大切です。
校内チューターの待遇・シフトは?卒業生でなくてもOK?
勤務形態・待遇は、採用・管理を担う企業によって異なります。ここでは、エデュケーショナルネットワーク(学習サポート課)の運営事例をご紹介します。
■スタッフ体制
2名以上の複数名での勤務が多いで入るケースがほとんどです
■シフト
自習室:週5回前後で 1回3~4時間のお仕事
講座 :週1回前後で1回1~2コマなど
*学生の希望・都合を反映してシフトを組んでいます。週1回からもOKで、毎週同じ曜日に入っている場合でも、「この日は用事があって無理」「この時期は実習で入れない」「この時期はたくさん働きたい」といった相談には臨機応変に対応。
■特徴
一つの学校に継続的に入る学生が多いものの、複数の学校のチューターやサポーターを兼任している学生もいるそうです。シフト制をとっている委託企業に登録すれば、自由度が高いうえに、基本は夕方で、帰りが遅くなり過ぎることもなく、続けやすいでしょう。
■時給
自習室:1200円~(交通費別途支給)
講座 :1500円~(交通費別途支給)
*学生の自宅と勤務先の学校が離れている場合は、移動時間を考慮した時給とするなど、案件に応じて調整する場合も。
■服装
特に指定はないケースが多いですが、ラフすぎる服装や派手すぎる服装は避けるなど、学校という場所に配慮した服装であれば問題ないでしょう。判断が難しい場合は、採用企業の担当者や一緒に現場に入る学生に聞きましょう。教員志望の学生にとっては、教員としてのTPOを学ぶ良い機会になるのではないでしょうか。
校内チューターのメリット
教育現場を肌で感じる絶好の機会
中高生の学習指導を経験できるだけではなく、教育実習以外で教育現場に入れる貴重な機会でもあり、教員の日常や学校の雰囲気、各校が働き方改革に対してどのような対応をとっているのかを肌で感じられることは、教員志望者にとって大きなメリット。業務に関して教員と打ち合わせをしたり、自習室や講座でたまたま顔を合わせた先生と話す機会を持てたりと、教員との接点もそれなりにあるので、情報収集という点でもプラスといえます。
一つの学校で勤務を続けていると、教員や生徒との関係性も深まるもの。生徒から「○○先生がいる時に自習室に行きたい。次はいつ来ますか?」言われるようになるケースこともあるそうです。また、生徒から慕われる大学生(チューター)が、学校から大学入試の面接対策のサポートにも入ってくれるよう依頼され、実際に業務として行っている事例もあります。その背景にあるのは、働き方改革の推進に加え、増加傾向にある総合型選抜の個別指導も行わなければならないという学校の現状。つまり意欲や努力次第で、業務の幅を広げ、経験値を積むチャンスを得られる可能性もある、ということなのです。
複数人で現場に入るという特性から、他大学や異なる分野を学ぶ学生、同じ教員志望の学生とのネットワークを広げられることも利点の一つ。まさに『校内チューター』は、教員になるという夢の実現の支えとなる情報・経験・ネットワークが得られる、唯一のアルバイトといえるかもしれません。