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金沢星稜大学で「文章検」の対策講座がスタート!  大学・社会でのニーズともに高く

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2024/10/11

若者の文章力低下が強く指摘される昨今。全国大学生協連が大学教員を対象に実施したアンケート調査でも、「不足していると感じる学生のスキル」の第1位は「文章力」で、全体の65.6%を占める結果となっています。こうした状況をふまえて、金沢星稜大学(石川県)では2024年度に新たに『文章検講座』を開講しました。同大事務局エクステンション課・友部充洋課長に、そのねらいや成果についてお話をうかがいました。

友部充洋課長

学生の文章力向上を、大学が特別講座でサポート

私が所属するエクステンション課は、就職活動や社会人基礎スキルの習得を見すえて、学生の資格取得支援などを担当する部署です。本学ではかれこれ20年この分野に力を入れており、公務員、教員、税理士試験や、簿記、IT、法律、ビジネススキルなど、大学正課の授業とは別に多様な資格・検定講座を実施しています。その手厚さが本学の魅力ともなり、受験生・学生からも高い評価を受けてきました。

ただ、そんななかでも課題がなかったわけではありません。いわゆる筆記試験の対策はできても、論作文やエントリーシートなど、「自分で文章を書く」ことに苦手意識を持つ学生が多いことでした。ネットやAIなどの普及により、学生が自身の頭を使って文章を作る機会が減ったことなどが原因と言われます。高校までの国語学習も、大学受験を念頭にしたインプットが中心で、文章の組み立てや構成を学ぶアウトプットの経験はかなり限られていますしね。

一方で、レポートなどの自由文を作成する機会が圧倒的に増えるのが大学、あるいはその先の社会人生活。つまり現代の学生たちの多くは、正しい日本語表現・文章についてきちんと習得することがないまま大学生となり、そして社会の戸口に立たされるわけです。

しかし、就職活動などが本格化する時期になってから対策を始めても、十分な対応はできません。ならば、大学入学後のできるだけ早い時期から始めようと導入したのが、「文章検(文章読解・作成能力検定)講座」です。

文章検準2級取得を目指し、プロの講師による添削・フィードバックまで

講座は、さまざまな資格取得を目指す本学独自のプログラム群「エクステンション講座」の一角に位置付けられています。日本漢字能力検定協会が実施する「文章検」で準2級取得を目指す講座です。文章検は論理的でわかりやすい文章を書ける力を身につけることを目的としており、準2級はおおむね高校在学レベルとされています。

希望者を対象に課外の時間で実施し、1コマ90分×全12回。うち4回は対面指導で演習や確認テストなどを行い、残り8回はオンラインによる座学というハイブリッド型です。教材は文章検に準拠していますが、初回にプレイスメントテスト(現状の測定)、最終回にアチーブメントテスト(成果の測定)を実施し、学生の現有文章力や目標・希望進路などに合わせてカスタマイズをしています。講師には、「Learning Designer & MC」として探究学習や小論文作成のサポートに取り組むプロの講師を迎え、語いや文法の解説から添削・フィードバックまで手厚くご指導いただいているところです。

本格導入は今年度(2024年度)からのため、細かな効果測定などはこれからになりますが、確かな手応えは感じています。昨年度にモニターで実施したところ、他の講座と比較して最も「正式開講してほしい」という声が多かったのがこの『文章検講座』でした。正式導入後の授業アンケートでも「知らなかった言葉や、間違った解釈で覚えていた言葉を発見できることがためになる」「毎回の授業がとても有意義だ」という声が寄せられています。

文章力だけではなく、人として大事なコミュニケーション力の向上を

本来、文章とは伝達手段です。しかし、文章作成が苦手な学生たちを見ていると、文章で伝えるべき趣旨や適切な構成を意識するところまで考えが及んでいません。与えられた文字数をいかに埋めるかで頭がいっぱいです。また、「文章力が低い」イコール、その文章に何が書いてあるか理解できない(読解力)、そして伝えたいことを適切に言語化できない(表現力)ということにつながるでしょう。つまり、相手の意思を汲むこと、自分の意思を伝えることという、基本的なコミュニケーション力の欠如そのものだと言えます。

「大学生になってまで文章の書き方を教わらないといけないのか」という嘆き節があることも十分承知していますが、実際にそれが必要な状況である以上、現実を受け止め、学生たちの未来に資するサポートを誠実に行うべきだと考えます。本講座の目的は、単に「文章力をアップしましょう」というものではないのです。

今後の展望としては、対面での授業を増やして、やはり実際に「書く→添削→再び書く」という経験をより多く積ませたいですね。また、正課の講義内で文章検の教材を使っている教員もおりますので、そことの連携も視野に入れていきたいです。

編集後記

金沢星稜大学・金沢星稜大学女子短期大学部では、「北陸一の教育大学」という共通目標のもと、資格取得&スキルアップを目指し、多様な学びの機会を提供されています。今回開講された文章検準2級講座は、授業内容や試験結果、受講者の意見などを検証された上で、2025年度よりCDP※講座の科目「国語基礎」への展開を予定されています。
その背景には、多くの大学が抱える、学生の文章力に関する課題や初年次教育の対応範囲の下方への拡大など、大学生の学力低下への懸念があります。
エデュケーショナルネットワークは、初年次教育や入学前教育における、論理的な思考力と文章力の指導及び学習の支援や文章力を高めることの意義を大学生はもちろん、卒業後の生活の中で、学生が実感できるように、大学のサポートを実施しております。
※CDP=キャリア・ディベロップメント・プログラム…難関試験の現役合格を目指す独自の教育プログラム

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