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教員だから知っておきたい、私学の財源のリアル ~少子化時代に、私学が持つべき収益戦略とは~(後編)

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2025/01/31
私学の財源のリアル

前編では、私学における主な収入源の内訳と、それぞれの課題について解説しました。そんな中で注目したいのが「寄付金収入」です。決して収入全体に占める割合が多いわけではないものの、必要不可欠な財源と言えるでしょう。後編では、そんな寄付金の現状と、寄付金集めの中で生まれつつある新たな変化やトレンドについて紹介していきます。

寄付を集めようにもノウハウがなく、受動的になりがち

「寄付を集めよう」と言っても、問題は「どうやって集めるのか」です。学校教員は教務を担うことが仕事であり、お金を集めることについて専門的なノウハウを持っているわけではありません。大学などでは、寄付を集める担当部署を設けている場合もありますが、中学や高校でそれ専任の人材を雇用する余裕はあまりないのが現実です。

また、従来の学校への寄付と言えば、各家庭が任意で一定金額を納入することが一般的でした。相場は1口数万~数十万円ほどであることが多いです。家庭からの寄付以外にも、宗教組織が母体にある学校ならそこから、あるいは地域の企業や資産家などが「地域教育に貢献」という名目で寄付してくれるケースもあります。もう少しお手軽なものだと、部活動の卒業生が「差し入れ」と称してスポーツドリンクを寄贈する行為なども寄付と言って良いでしょう。

いずれにせよ「寄付してくださる人がいれば」という受動的な姿勢が基本で、学校側が計画的かつ能動的に働きかけるものではなかったのです。

クラウドファンディングによる資金調達が、教育界にも

そんな中で一つの変化として定着しつつあるのが、「クラウドファンディング(以下、CF)
」の活用です。

CFとは、インターネットを介して不特定多数の人から少しずつ資金を調達する制度。特徴は「こういうことがやりたい」と、支援を必要とする理由(プロジェクト)や必要金額を明確にし、その活動内容に共感した人から寄付してもらうことです。

これまで一般的に学校への寄付は、お金の使途も必要とする金額も不明瞭になりがちでした。「とりあえず寄付をお願いします。あとはうまく使いますので」という性質のものだったのです。その点、CFは「何に使うのか」「いつまでに必要なのか」「どれだけ必要なのか」が明確です。したがって、プロジェクトの内容が共感を得られるものであれば、寄付を募る側も寄付をする側も、ハードルが低くなります。

ちなみに日本人は、欧米人に比べて寄付やチャリティーに積極的でないと言われます。その理由について内閣府が調べたところ、「経済的余裕がない」「寄付先に対する信頼度に欠ける」に続いて、「寄付しても役に立てたと思えない」という意見が3位に入っていました。つまり、自分が寄付したお金がどこにどう役立ったのか、実感が欲しいということなのでしょう。CFが市場で受け入れられたのも、この問題がクリアできていることが大きいと言えそうです。

教育活動との相性の良さも魅力

CFを活用した寄付の使途(プロジェクト)はさまざまです。たとえば部活動なら、遠征費用、機材の購入費用、あるいは新しい部活動の設立費用などもあります。探究学習の活動費用や、成果物を作るための原資を募るケースも人気です。地域貢献活動の一環で、「地元小学生のためにサッカー大会を開きたいので、そのイベント運営費を助けてほしい」というものもありました。さらに、学校全体として「校舎の改修費」への協力を募ったプロジェクトもあります。必要金額もケースバイケースですが、目標金額をはるかに上回り、数千万の資金調達に成功した事例も少なくありません。

またCFは、「教育機関」としての学校との相性が良いことも魅力です。プロジェクトの内容が何であれ、当事者である生徒たちからすると「自分たちの活動を応援してくれる人がこんなにいる」と学べる、かけがえのない機会になります。「自分たちの学びは、誰かが助けてくれたから実現している」と、学びの機会に対する感謝も生まれるはず。実際に、お礼の手紙や領収証などを、生徒たちが手作業で1枚ずつ発送している学校も多いです。ただお金を渡すだけの一般的な寄付とは大きな違いだと言えるでしょう。

学校専用のCFプラットフォームも登場

では、実際に学校がCFを使って寄付を募る場合、どのようなステップを踏めば良いのでしょう。まず、さまざまなプロジェクトを集めて発信する、プラットフォームとなるWEBサイトがいくつかあるので、それを使うことが基本となります。

一方で、その中から自分たちのプロジェクトを選んで寄付してもらうのは大変です。寄付者の立場で考えても、縁もゆかりもない学校の支援を行うのは悩むところでしょう。したがって、基本は卒業生や地元住民など、学校と何らかの縁がある人にアプローチすることがポイントになります。彼らに「こんなプロジェクトを実現したい!」と、ストレートに熱意をアピールしていくのです。

しかし上述したように、学校の先生は資金集めの専門家ではありません。どのように情報を発信していくべきか、どうすれば共感が得やすいか、わからないことも多いはずです。CFで資金を募っていること自体も一部の先生や生徒しか知らず、発信力が弱いといったケースも珍しくありません。そこで最近は、そうしたサポートまで包括的に行う「学校専用のCFプラットフォーム」も誕生しています。株式会社エデュケーショナルネットワークが取り扱う「Yellz」はその代表格です。

学校がCFを活用するにあたっては、本来なら、学校が一丸となって情報発信することや、外部を巻き込む視点や技術を持った「コーディネーター型教員」が増えることが望ましいのですが、先生方はただでさえ多忙です。「これ以上仕事を増やされても……」というのが本音でしょう。「寄付を募りたいけど、その時間もノウハウもなく困っている」のであれば、外部サービスの力を借りながら、CFに挑戦してみることもよいのではないでしょうか。

この記事はエデュケーショナルネットワーク 広報支援課(Yellz運営チーム)が監修しました。学校応援オンラインコミュニティ「Yellz」はこちらから→ https://yellz.jp/

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