教員採用試験の1次(筆記)試験が終わりました。これまでの試験対策、本当にお疲れさまでした。ところで、1次試験の結果発表や2次試験が始まるまでに「私立学校」に目を向けてみませんか? 私学の採用は夏から秋にかけてピークを迎え、教員志望の学生の動きも活発になります。今からでも応募は十分間に合いますので公立志望の方も先生になる選択肢の一つとして参考にしてください。
私学教員を目指す年間スケジュール
私立学校は1都3県で400校以上あり、積極的な教員採用活動を行っています。まず、専任教諭に応募する場合を例に、志望から採用までの標準的な流れを見ていきましょう。
<3月>学校研究・履歴書準備
就職活動の企業研究と同じです。私学は各校が教育方針や内容などを持っていますから、どのような学校があるか理解を深めます。履歴書の準備も早めに始めます。学歴や志望動機、卒業研究、自己PRをしっかり練って質の高いものにしていきます。
<4月~6月 説明会参加・情報収集>
各都道府県の私立中学高等学校協会が主催する「私学適性検査試験説明会」や「合同説明会」などに参加し、採用までのルートを理解します。教職紹介エージェントなどへのエントリーも行い広く私学の情報収集をします。「日本私学教育研究所」には募集要項が掲載されています。大学の研究室、就職課などもチェックしてみましょう。
<7月~8月 私学適性検査試験受験>
都道府県の私立中高が共通で利用している適性検査が「私学適性検査試験受験」です。年に1回の実施で「専門教科・科目」と「教職教養科目」の試験が行われます。受験者は各協会に教員志望者として登録され、加盟校に伝達されます。次のステップに向けて模擬授業などの準備も始めます。
<9月以降 個別試験を受験>
私学から個人へ個別試験の案内があります。面接、模擬授業、小論文など各校により選考方法は異なります。
<10月以降 合格・採用へ>
各校から合否の連絡があり、採用通知が届きます。4月までの間に研修や授業参観など学校からのフォローもあります。
「教採組」こそ紹介エージェントを活用せよ
「えっ、もう間に合わない……!!」と驚かれた方もいるかもしれませんが、心配はいりません。上に挙げたスケジュールはあくまで「私立学校の教員を第一志望」としている方の予定です。私学といえども1つの学校に教員として勤める以上、丁寧に情報収集や準備をして試験や面接に臨むのが本来のあり方だといえます。
とはいうものの、教員採用試験を受験した方は、ここまでの準備ができないケースがほとんどです。夏に実施される私立中学高等学校協会の「私学適性検査」対策に割く時間もないですし、最悪の場合は、私学適性検査の試験日程が、教員採用試験の2次試験とかぶってしまう恐れもあるのです。もしもの場合の私学対策に、どのぐらい時間と手間をかけたらいいのか、迷う方も多いと思われます。
そこでお勧めしたいのが、教職紹介エージェントの活用。教員志望者と、教員を採用したい学校が情報を集めてマッチングを行う、就活エージェントの「教員版」です。登録をすると、さまざまな私立学校の求人情報・学校情報を入手できるほか、セミナーや講習会などに参加できるのが特徴です。
エージェントを活用すると、先ほどのスケジュールの<3月 学校研究・履歴書準備><4月~6月 説明会参加・情報収集>のステップをぎゅっと圧縮することができます。また、条件に合う学校が見つかれば、すぐに<9月以降 個別試験受験>の段階に進めるチャンスも広がります。
教員採用試験の1次試験が不合格だった場合も、また2次試験の結果が出てから私立教員を目指す場合にも、求人情報は自動的に入手できます。時間のない教員採用試験組こそエージェントを活用して損はないのです。
8割の私学が新卒採用予定
公立学校の先生を目指している方にとって、私立学校という選択肢はこれまで身近ではなかったかもしれません。自治体で採用試験情報や応募状況が公開されている教員採用試験と異なり、私立学校の場合、なかなか情報が入ってこないし……と、不安に思っている方もいるでしょう。私立の採用担当の先生に「新卒採用予定はありますか?」とたずねたところ、約8割の先生が「ある」と答えています。一人で悩まずに教員専門のエージェントを活用し、夏以降の2次試験、そして秋の最終結果発表までの時間を有効に使ってください。