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コラム

非常勤講師という働き方

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2019/12/13

近年、さまざまな理由から、より積極的な選択肢として私学の非常勤講師を選ぶ人たちが増えています。多彩な経験や専門性を持つ人たちが教師として行き交う学校は、多様性のある職場です。生徒にこれからの社会のあり方を示し、「開かれた学校づくり」の一助になるという意味でも、その存在は貴重です。

私学の非常勤講師とは

私立学校の場合、採用職種は大きく分けて3つです。ひとつは「専任教諭」。公立学校の「教諭」にあたります。2つめは「常勤講師」。私立学校では専任教諭への採用の入口として位置づけられることが多い職種です。3つめが今回取り上げる「非常勤講師」です。公立学校では「時間講師」「非常勤講師」にあたります。

下の表をみると、非常勤講師が担う仕事が比較できます。非常勤講師の最大の仕事は「教科指導」を行うこと。授業を通して生徒たちに資質・能力を育むのが最大の仕事です。学級担任や校務分掌の割り当ては基本的にはありません。ですから、授業外での進路指導や、保護者対応を担うことはありません。部活動に関しては、学校により異なります。その部活動の内容に関して高い専門性を持つ先生が、非常勤講師として採用されている場合もあります。そのような特殊なケースを除いては、基本的に部活動の顧問を担当することはありません。

勤務形態はパートタイムとなります。民間企業と異なるのは、10時から15時まで、といった一定時間の設定ではなく、授業のコマ数による勤務となります。コマ数といっても割り振りは学校のニーズ、コースや学年、クラスの設定によりさまざまです。例えば、英語科の場合、

〇 高校2年の総合進学コース2クラスの「英語表現」を全て担当…コースや科目を中心に受け持つ
〇 高校1年の英語をすべて担当…ある学年をメインに受け持つ
〇 中学の「英会話」と高校の「コミュニケーション英語」を担当 ・・・得意分野を活かして受け持つ

などが考えられます。

非常勤講師の採用は、大学の就職部や、学校ごとにホームページで求人を掲載していることも多いのですが、並んで多いのが人材派遣・紹介会社を通した応募です。求人募集は例年、秋から出始め、12月から翌年3月に向けて増えていきます。ただし、近年は早めに講師を確保したいとの学校側の思いもあり、募集や採用の「前倒し傾向」が強まっていますので情報は早めに収集するのがポイントです。教科別では英語、国語、数学、社会、理科など主要教科における採用が多くなっています。

応募にあたっては履歴書を準備し、教員免許の有無なども明記します。一般的には、書類選考・面接、筆記試験や模擬授業を経て採用が決まります。求人情報を自分から探す、見つけ出す時間がない場合は、学校教員を専門とする人材派遣・紹介会社に登録し、希望とマッチする求人情報を送ってもらうのもひとつの方法です。

先ほど、非常勤講師は校務分掌を担うことはほとんどない、と書きました。保護者対応や職員会議などがなく校務に時間を取られることはありません。ですが、裏返せば「授業だけで評価される職種」であることを十分に意識する必要があります。教員とは「あの先生の授業は頼りないけれど、行事を任せたら学校の一体感がすごい」「若手だけれど、説明が実直だから保護者から信頼されている」などと、授業以外の評価も含めて、トータルで評価されるものです。その中にあって、非常勤講師への期待は何よりも「授業力」であることをしっかりと意識したうえで、学校とういうチームの一員となっていくことが求められるのです。

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