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教員研修・育成セミナーレポート

[STC研修] 初任者研修【春】1日目② 生徒対応

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日 時:2018年4月28日(土)14:10~18:00[研修]18:30~19:30[交流会]
2018年4月29日(日)9:30~17:30[研修]
場 所:岩倉高等学校 視聴覚室
対 象:初任者・若手
参加者:85名

第1回は初任者・若手の先生方を対象に、4月28・29日の両日、岩倉高等学校にて初任者研修【春】を実施いたしました。
参加者は85名。フレッシュなスーツに身を包んだ先生方が2日間じっくりと研修に取り組まれました。
12のグループに分かれて着席した先生方は「こんにちは」「よろしくお願いします」と元気に挨拶を交わすだけでなく、開始前から自己紹介をするなど研修に前向きな姿勢が見て取れました。

第1回 B研修
テーマ 「生徒対応」16:00~18:00
講師  :川合 正 先生

研修の流れ:
① アイスブレーク&エンカウンター
② 生徒の発達段階とその対応
③ 子どもたちが社会に出る頃の社会情勢
④ 教育イノベーションと学校教育
⑤ クラスにいる多様な生徒たち
⑥ 親や教師が、子どもの行動に介入する時の注意点(ワーク)
⑦ 子どもたちがやる気になる時
⑧ 「エレファント・シンドローム」~間違った言葉掛けの恐怖~
⑨ 丁寧なコミュニケーション
⑩ シェアリング(分かち合い)~生徒の可能性を伸ばそうと努力する先生が信頼される~

生徒の言葉を使って本音を引き出す

2コマ目の研修内容は「生徒対応」です。講師は京北中学校・高等学校、京北学園白山高等学校前校長で私立学校における学校相談、カウンセリングの研究をけん引してこられた川合正先生です。

初対面の先生方もいたことでしょう。教師と生徒、親子を想定したリアルな会話例や、参加した先生との楽しいやりとりなどを通して、次第に「川合マジック」に引き込まれていきました。その中で、日々の教室での会話を意識することが「生徒対応」の基本だと知った先生方も多かったようです。たとえば、子どもについて知りたいことは直接たずねるのではなく、子どもが発した言葉を使って心を開くよう促す「チェーンインタビュー」が有効だといいます。

子ども「今日は楽しかったなー」
保護者「へえ、楽しかったの」
子ども「うん、友達が絵をほめてくれたの」
保護者「あら、絵をほめてくれたの?」

ここで保護者が「何が楽しかったの?」とたずねていたら「友達が絵をほめてくれた」という事実は引き出せません。
この事が学校でのいじめや問題行動の兆候であったらどうでしょうか。教員が生徒を問いただすだけでは重要なことを見逃してしまいます。会話から生徒の身に起きたこと、心の動きを引き出す言葉掛けが教師には求められるのです。そのことをロールプレイングで確認しながら講義は進んでいきます。
特に中学・高校時代は思春期という、人間の発達の中でも劇的な変化が起きる時期です。文化祭の取組みでも中1は生徒任せにしておくと遊んでしまいますが、中3では役割を押し付けると反発されます。自主性に任せることで成功体験を味わわせることがポイントだといいます。
このように発達段階とその時期の課題、適した学習方法などをふまえた生徒対応が求められることを学びました。

AI、グローバル時代の教師の役割

若い教員が教鞭をとるということは、彼らは未来に生きる大人を育てているということです。中堅、ベテランの先生方以上に「来るべき未来」や「求められる教師の役割」に敏感になってほしいところです。
川合先生は、2020年に迫った大学入試改革や「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」から、AIやグローバル化が進展した世界のありようを展望し、「教育イノベーションは必須になるが適した教材は少ない。若い皆さんはのめりこんでいくしかない」と激励しました。

とりわけ重要なのは生徒の多様性に気づく「教師の観察眼」を磨くこと、と川合先生は加えます。
「クラスの中には発達障害も含めて、多様な生徒がいて難しいのが当たり前です。よくできる生徒や反発してくる生徒は少数でも目立ちます。そこに引きずられて、多くの普通の子が置き去りにならないよう、ほめることを忘れてはいけません。」

このほかにも、生徒のタイプの見分け方、やる気を引き出す言葉掛け、危機介入時の対応の基本など、多彩な事例を通した解説がありました。

「ちょっと詰め込みすぎたかな」と笑顔を見せつつも生徒対応のコツをおしみなく伝授してくださる川合先生の姿に、理想の教師像を見た参加者も少なくなかったはずです。教師の責任の重さと大きなやりがいを感じたことでしょう。

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