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第1回:初任者研修【春】① コミュニケーション研修[STC研修レポート2023]

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台本のない即興劇をその場でつくり上げていく「インプロ」は、俳優のトレーニングとして使われてきましたが、現在では、臨機応変なコミュケーション力を養うトレーニング方法として、ビジネスや教育の場でも活用されていますインプロジャパンの池上奈生美の指導により、初任者・若手の先生インプロの体験型研修を受講しました 

■研修講師

講師: 池上 奈生美 氏 

(株)インプロジャパン 代表取締役 

 

「ゲーム」を通してインプロを体験 

教育現場は、常に臨機応変な対応力、柔軟なコミュニケーション力が求められます第1回目の研修では、その場・その瞬間に起きたことを即興でつくり上げる演劇「インプロ」をベースにした多彩なゲームを体験。より良い関係性を築くため即興的なコミュニケーション力を鍛えます 

今回、講師を務めるのは、インプロの本場アメリカでもパフォーマーとして活動し、コミュニケーションスキル向上のプログラムを開発したインプロジャパンの池上奈生美氏。同社の2名のスタッフもゲームをサポートするアシスタント役として参加します。 

会場には4人掛けの6つのテーブルが用意されており、受講者は指定のテーブルに案内されました。受講者は、小さなカードにニックネームを書き入れ、ネームプレートにセットして胸に付けます。インプロ体験の最中はこのニックネームで呼び合います。 

研修のはじめに、講師の池上氏から、インプロの歴史と、状況を瞬時に感じ取り、相手を受け入れることがより良いコミュニケーションを生み出すこと、頭で考えるのではなく身体で瞬時に動けるよう鍛えていくことが、コミュニケーション力の向上につながることが話されました。 

また、インプロを体験するにあたり、1.直感を大切に、まずやってみる 2.相手のアイデアを受け入れる 3.お互いに協力し合う 4.間違いを恐れない 5.楽しむ という5つの原則が挙げられました。 

インプロジャパンのアシスタント2名の紹介後、さっそく身体を動かします。会場の机や椅子を端に寄せてスペースをつくり、まずは軽く「ストレッチ」、次には会場内を歩き回る「ウォーキング」へと進みます。多くの受講者が初対面同士ですが、気遣って譲り合い、すれ違うことで自然とコミュニケーションが始まります。 

「今度はすれ違った人とニックネームを呼び合いましょう」と池上氏が呼びかけます。次第に笑顔が増え、はじめは緊張で固くなっていた会場の雰囲気が、一挙にほぐれていきます。 

 

コミュニケーションは言葉だけでないことを実感 

次には12名ずつの2チームに分かれて輪になり、アシスタントが主導してゲームをはじめました。ニックネームを呼び合い、受信発信をし合う「フォーカスゲーム」や、合図をせず、呼吸を合わせて手拍子をリレーする「拍手を伝えるゲーム」です。アシスタントが「しっかり目を合わせて」とアドバイス。一見簡単なようで、難しいアクティビティです。瞬発力が必要とされますが、失敗しても笑いがこぼれ、楽しみながら行うことができました。 

次には、提示するお題について、アイコンタクトで合図しながら、無言で表現するゲームを行いました。最初は12名ずつのチームでマスゲームのように図形や文字をつくり、次には2人ずつのペアになり、正解のないお題を身体で表現します。他の人の動きを見て、コミュニケーションをとることが必要とされ、最初は皆、苦戦している様子でした。いくつかのお題に取り組むうち、うなづいたり、目を見開いたり、行動を起こすことだけで上手に気持ちを伝え合えるように。最後には難しいお題にも、楽しく笑顔を見せて取り組んでいました。 

池上氏は、コミュニケーションには「L(=LEADリードする、方向性を決める)」と「R(=READ相手のアイデアを読み取りサポートする)」の2つ役割があり、柔軟に役割を入れ替わることでより良好なコミュニケーションが生まれる、と説明します。 

「常に同じ人が「L」の役割を担えば、他の人はアイデアを出さなくなり、「R」の役割ばかりを担う人は、皆の顔色をうかがうだけになってしまいます。自分がどちらかの立場に偏りがちだと自覚があれば、意識して逆の役割を行うようにすると良いでしょう」と、アドバイスも付け加えました。 

解説の後は5分間の休憩時間を取りました。休憩時間の間には、身体を使ったゲームを通して距離感も縮まり、受講者同士で活発に意見交換する姿が見られました。 

 

相手のアイデアを受け入れ、プラス提案する「YES AND」を体験 

後半では頭を使って言葉の瞬発力をトレーニングするゲームを行います。簡単な言葉の連想ゲームをした後、グループをシャッフルし、新しいメンバーで4名ずつのグループを組みます。 

まず、インプロならではの考え方「YES AND」について、2名のアシスタントがデモンストレーションを行い、池上氏から解説がありました。 

他者の提案に対して、否定的な態度や返し=「NO」はもちろん、ただ肯定するだけ=「YES」の返しも、前向きなコミュニケーションには結びつきません。まずは提案をそのまま受け入れ、自分の提案をプラスして関わっていくのが「YES AND」の考え方です、と池上氏は説明します。 

次には、「YES AND」を実際に体感するゲームを行いました。4人グループで、順に提案しながら、物語をつくっていきます。どんどん新たな発想が出てきますが、突飛な提案でもまずは受け入れて全員で動きを交えて演じ、それを受けて次の展開へと話しを膨らませていきます。これまでのゲームの積み重ねもあり、場が大いに盛り上がり、どのグループも笑いを交え、夢中になって取り組んでいました。 

最後には本日の研修の集大成として、即興で物語を完成させる「ワンワードストーリー」のゲームを行いました。12名ずつのチームに分かれて輪になり、物語の最初の一行と最後の一行が決まっているお題が出題され、1人一文節ずつ、順にお話をつなげていきます。新たな人物が登場したり、事件が起きたり、二転三転の予想外の展開に「なるほど!」と感心したり、楽しみながらも真剣に物語を最後まで着地させました。と話がありました。 

研修の最後に、池上氏から「今完成した物語は、誰ひとり欠けてもつくることはできませんでした。すべての人の存在や、アイデアが絶対不可欠であるというのが、インプロではとても大切です。今日皆さんが感じたことを実践することで、現場での皆さんの経験の質も変わってくると思います」と話がありました。まとめの言葉とともに、インプロの考え方やコミュニケーションのコツをまとめた小さなカードが全員に配られ、「時折、見返して、今回の研修を思い出していただければと思います」と締めくくりました。 

研修後の振り返りでは、「アイコンタクトの重要性、言葉でないコミュニケーションの大切さが体感できた」「自分のコミュニケーションに不足している部分を知ることができた」「YES ANDでプラスアルファを加えて返答することで、良好な人間関係が築けることが印象的だった」という意見が多数あり、大きな手ごたえを感じていたようです。「授業やクラス運営に取り入れたい」という意見も多く、前向きな意欲が高まる研修となったようです。 

ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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